身体美学美学的女性評

宮崎美子

2021年1月5日

最初のきっかけは週刊誌の表紙モデル。
素人の女子大生モデルを募集していた。
素人なんだから特別なおしゃれは不要。
そういう軽い気持ちで応募。
友人が撮った普段着のスナップ写真を送った。

それでも書類審査を通り、面接審査に進む。
九州在住なので上京はかなりの遠出。
だがその時も普通の私服に顔もほぼスッピン。
周りは華やかな美女ばかり、自分は場違い?。
当然選ばれるとは思わなかったという。

結果は選ばれて運命が変わる。
撮影は篠山紀信氏、氏との出会いで。
そのときも私服で撮影はすぐに終わった。
しかし氏は彼女に輝きを感じた。
それが下の画像、私服に化粧極薄、まさにど素人。

週刊朝日1

後日篠山氏が直接彼女にCMモデル出演を打診。
日程が春休み中でサイパンに行けるので承諾。
つまり素人の遊び半分のアルバイトだった。

本人はもとより、制作側も売り込む意図皆無。
素人だから一回だけの起用の予定だった。
それが爆発的反響を生む伝説のCMとなる。

放送が始まるとたちまち関係筋に問い合わせ殺到。
「あの子は誰?」素人だから業界人でも知らない。
その印象を表す代表的な表現は衝撃的!。
多くの人が衝撃的だったと語る。

いったいなにが衝撃的だったのか。
女性美で気を引くのはテレビCMの演出の王道。
草創期から今日まで常にあふれかえっている。
多くはプロのタレントで演出も一流のプロたち。
バカンス気分の素人とは意識も違う。

ラックスのCMはハリウッド女優が目白押し。
美容整形も含めて完ぺきに仕上げたプロたち。
演出も豪華、洗練された美の極地といえる。

多いだけに惹きつけられるCMも少なくない。
だが彼女の反響に匹敵する例は他に見当たらない。
洗練されたプロを素人が超えた?。
いったい美とは、魅力とは、輝きとは。

衝撃的な内容はわずか20秒ほどの短編。
15秒ほどが脱衣場面、残りが笑顔のアップ。
笑顔だけなら普通すぎて衝撃は感じない。

脱衣での肉体の存在感が衝撃の原動力か。
衝撃的以外では健康的だという評も多い。
ではなにが健康的なのか。
健康優良児のような発育ぶり?。
特に二次性徴の発達が顕著なメリハリボディ。
体は豊満だが顔は小顔という特徴も持つ。

成熟した肉体と可愛い笑顔の相乗効果?。
実は5秒ほどの間に表情のコントラストあり。
弾ける笑顔から最後瞬間的に瞳に憂いを湛える。
それもまた強力な相乗効果を生む。

同CMはカメラメーカーの期待の新製品の宣伝。
素人起用が望外の大反響で期待通りヒット。
予定を一転して、彼女を顔として継続起用する。
下はCM撮影時のカットの広告。

CM水着カット

こうなると業界がほっとくはずがない。
当初は断っていたが熱心な勧誘に折れて女優となる。
週刊誌にプロとして表紙を飾るようになる。
下の画像は小顔できれいな輪郭、顔立ちが目立つ。

週刊朝日2

下の水着姿は発達した体との対比で小顔が際立つ。

水着カメラ広告 カメラ広告

下の画像は真顔、笑顔とは別人の印象。
カメラ広告も真顔シリーズあるが印象は今一つ。

週刊朝日3

その資質が本来の希望ではない女優へと導いた。
だが女優は当時すでに難しい時代になっていた。
テレビが娯楽の主役となって役割も変化。
女優が輝ける機会は激減。
彼女も女優として生き残るも活躍は限定的。
少なくとも登場時の華やかさはない。

そのかわり?別な才能を発揮するようになる。
元々高学歴なので知性発揮、クイズ女王になる。
また昨年末還暦水着が大評判となる。
伝説のCMの再現かのように。

肉体美維持は立派、ただ美貌は変化している。
せっかくの恵まれた資質が生かされていない。
日本人としては平均的な表情、崩れの要素あり。

実は伝説のCMにもその片りんが見られる。
もったいない限り。宝の持ち腐れだ。
画像のかつての輝きを見ると切に思う。

新世紀にも衝撃的と称されるCMがあった。
グリコポッキーの新垣結衣編だ。
伝説とはいかずとも衝撃的な可愛さだったと。
当欄でもすでに取り上げているように。
同CMでブレーク、その後も輝きは継続中。

その輝きは完ぺきな表情につきる。
大きな笑顔でもまったく崩れることがない。
同様に真顔も気品にあふれている。
日本人女優としては稀有な資質だ。

日本では劣化の目立つ往年のアイドルも多い。
かつてのファンか、劣化を嘆く口の悪い人もいる。
なんで死んでくれなかったんだ、と。

新垣結衣は別次元、美しく歳を重ねるだろう。
特に努力しなくても美熟女になりうる。