故ダイアナ元妃 9/9
故人の話題、しかもこの時期だけにあえて記事に。
故人が美化されるのは世の常、元妃の偶像化がすごい。
衝撃の死と言えばJ・レノンやA・セナが思い浮かぶ。
前提として偉大な業績があるからだ。
彼女は世界中にフィーバーを巻き起こした?。
美化する根拠に挙げられたのが慈善活動。
元駐日英大使によると他の王族より熱心だったそう。
英国人が彼女を偶像化するのは自由だ。
しかし日本のマスコミも煽っていた。
「世界に愛された」「世界が涙」等の台詞を並べた。
本当に泣いた日本人がいたのだろうか。
葬儀は「600万人が見送り、25億の人が注目」と。
沿道の人の数が実際は数分の1だったようだ。
それよりも25億という数字を疑いもせず上げていた。
誰が何を根拠に上げた数字か把握していたのか。
マスコミ関係者の見解を聞きたいものだ。
奇しくもマザー・テレサが葬儀の前になくなった。
元妃とも親交のあっただけに数奇な偶然。
二人が同列に扱われているが生き方には隔たりがある。
テレサは自分の幸せは捨て、生涯の大半を人に捧げた。
元妃は大金持とのアバンチュールの最中に事故死。
お前は元妃を偶像から引きずり下ろしたいのか?。
なぜこれほど美化されるのか理解出来ないのは事実。
それも日本の大マスコミが率先してムードを演出している。
マザー・テレサの死は隅に追いやっている。
ワイドショーなどはよくてふれる程度。
英国内では美化に疑問を呈する新聞(タイムズ)もあった。
今年チェチェンで5人の看護婦がゲリラに殺された。
彼女たちは国際赤十字から派遣されて現地で活動中。
悲惨な事件だが日本での報道は小さかった。
O・ストーン監督の映画「サルバドル」が頭に浮かんだ。
慈善活動のシスターたちがゲリラに強姦後射殺される。
映画のリアリズムそのままの事件に衝撃を受けた。
彼女たちは使命感によって紛争地帯へ赴いた。
待っていたのは悲惨な結末、神も仏もない。
母テレサに通ずる崇高な死だがあまりに理不尽。
昭和天皇の大喪の礼では世界中の元首王族が参列した。
一方元妃の葬儀にはマスコミと大衆以外はわずか。
そのときF1はイタリアGP開催中だった。
哀悼の意を表したのは英国チームのみだった。
また前夜にはIOCの総会があった。
2008年夏期五輪の開催都市が決定された。
最終候補5カ国の人々はそれが最大の関心事だったろう。
しかしこれも日本のテレビはほとんど報道しなかった。
時事評論になってしまったので、本来のテーマに戻ろう。
なぜ元妃はこれほど話題になるのか?。
人格に根拠を求めるのは前述のように無理がある。
一つはビクトリア女王の栄光を引き継ぐ王室の格。
もう一つは彼女の見栄え。それ以外の理由は考えにくい。
日本の雅子妃殿下も高い水準にある。
容姿だけでなく頭脳も抜群。だが世界では有名でない。
欧州では元妃のようには知られていない。
実はこれも元妃美化に反発する理由の一つ。
「世界一の妃だ」と現地の少年が叫んでいた。
他の妃に対して失礼だと思う。