身体美学98-99Fhysical Aesthetics

 美学の精神1998年

おじさんの美意識

桐島洋子女史がかつて著書の中で書いていた。
米国で見かける日本人ヌードは戦争花嫁のなれの果てみたいで嫌な気分になる。
ましてや日本の男の貧相なヌードだけは絶対輸出して欲しくない。
(米国には男性ヌードが掲載される女性誌がある。)

「淋しいアメリカ人」で大宅壮一賞を受賞した彼女ならではの見識だ。
日本国内では逆の現象が起きている。
白人男性のストリップショーがビジネスとして成立している。
もし日本人が同じ事をしたら客(日本人女性)は受け入れるのだろうか。

今のところ日本人ダンサーの存在は聞いた事がない。
この現象は温泉ホテルの白人女性ダンサーのショーの人気と似ている。

日本でおじさんのイメージはあまりよくない。
若い女性たちにイメージを聞けば、喜々として答えるだろう。
くさい、いやらしい、ださいと言った否定的な言葉を。

平均的な日本のおじさんはむしろ清潔なのに、きれいなイメージはない。
美意識が希薄だからだ。特に体に対してはほとんどない。
体を意識するのはせいぜい健康問題くらい。

ファッションセンスを磨くという意識も稀薄。
ただしだらしないのとは違う。身だしなみはきちんとしている人が多い。
特にサラリーマンなど組織に生きる人は、服装にはかなり気を使う。
茶髪やピアスなどには否定的だったりと、ポリシーはある。

要するにおじさんの典型的なファッション感覚は、自己表現ではない。
帰属する集団と同質であること、常識やマナーを示す手段なのだ。
だから皆似たようなファッションになる。センスが磨かれる余地がない。

平均的な日本のおじさんは、欧米人と比較して明らかにセンスがない。
清潔だし、身だしなみはきちんとしているがダンディーではない。

具体的に日本人男性に多い弱点を上げると姿勢の悪さが第一。
姿勢は美意識を映す鏡なのだが。あとは胸板の厚みや手足の長さ。
胸板は女性の骨盤にあたる男性の性徴を表す部分。
(前述の白人男性ダンサーたちは見事な胸板をしている。)

厚い胸は胸郭の発達によって形作られる。
太ったからといって厚くなるものではない。
単なる肥満だと出るのは下っ腹だけという悲惨なことになる。
その上姿勢も悪いとしたら見栄えは最悪。

そんな父の姿を異性である娘が見たらどう思うか。
人は容姿ではないなどと言わず、体にも美意識を持ってほしいものだ。
おじさんの平均値によって日本人のイメージが決まる。