身体美学 概論Fhysical Aesthetics introduction

 表情編2000年

魅力

デビュー前の山口百恵を見た武田鉄矢は、成功は絶対ないと感じたという。
それほど地味な少女だった。事務所も大きな期待はしていなかった。

当時はアイドル歌手全盛の時代、実力より見た目の可愛いさが命。
可愛い衣装を着て、かわいい笑顔を振りまく。この安直路線ともなじみにくい。
彼女の成功はドラフト外のプロ野球選手がスターになるようなものだった。

対照的に無敵のスーパーアイドル、宮沢りえは最初から華があった。
混血である彼女は造形的にも恵まれ、表情も欧米人型と穴がなかった。
ミスコンに出場してもいい結果を残せたであろう事は想像に難くない。
しかし彼女の煌めきは長くは続かなかった。

山口百恵は菩薩と言われた。
彼女の歌い方には、無意識的に悲しみが込められる部分があるという。
それが仏の慈悲に通じるというのが、最初の提唱者の根拠。
確かに彼女の存在感は菩薩のような重さ、深さを感じさせた。

彼女の煌めきは、憂いを湛えながらもやさしさを秘めた表情に表れていた。
これはまさに表情美でいうところのりりしさの美である。
基本的には日本人型なので世界に通用するのは難しいが、稀有な個性だった。

彼女がミスコンに出場してもいい結果が出たとは考えにくい。
しかし腐るほどいるクィーン達から、彼女に匹敵するスターは生まれていない。
ダイヤモンドの輝きは、磨かれるまでは分からないのだ。

オードリーも元は地味?

当サイトではおなじみ、A・ヘプバーンも最初から目立つ人ではなかった。
彼女はエリートコースから外れたバレリーナだった。
埋もれた彼女の潜在的な魅力に気づく人がいなければ、成功はなかった。

当時はグラマー女優が全盛であったし、欧米人の中にあっては貧相な体格。
造形的に特別人を引きつけるものはなかった。
彼女もまたミスコンと相性がいいとは考えにくい。

だが魅力の片りんを感じる人がいた。そして舞台に上げた。
磨かれる機会を得た原石はほどなく輝き始める。

可憐な笑顔に逆にグラマー女優たちが色あせてしまった。
まぶしいほどの輝きは表情の中に現れるので、肉体は重要ではなかった。

彼女自身が「マイ・フェア・レディ」そのものだった。
無名時代の彼女を見ても、大半の人は特別な印象を持たないだろう。
人々が知っている輝くオードリーは、成功 後の姿だ。

魅力の核心

普通外見的な魅力とは、造形美と考えられている。
特に女性への評価はその傾向が強く、魅力的な女性とはほぼ美人を意味する。
だがそれで山口百恵やオードリーの輝きを説明することは出来ない。

単なる造形美人ならミスコンのクィーンをはじめ、世の中にはたくさんいる。
最近は美のプロ、スーパーモデルが映画など芸能活動する事も多い。
だがいかに造形が完璧でも、それだけで二人のように輝く事は出来ない。
美しい肉体も魅力には違いないが、輝きとはならない。

人の人格的雰囲気は主に顔、表情からにじみ出る。
感じがいいとか悪いとか基本的な印象は、ほとんど表情から感じている。
内からにじみ出てくる事が、日本人に精神論がはびこる根拠でもあるだろう。
部分的には精神論も正しいが、前回の内容を参照して欲しい。

OSとアプリケーションとハードが三位一体によい調和をした時に輝く。
オードリーが非凡なのはソフトである、OSとアプリケーションだ。
彼女は笑顔に妖精の形を作ることが出来た。

日本人型の山口百恵は主にOSが特別製だったと考えられる。
輝きが失われる場合は、OSの変化を示している。
ハードとアプリケーションは、普通短期間では大きな変化をしないからだ。