身体雑学20

 ■ 身体美学の姉妹編、雑学的な内容

男が魂奪われる美 *美女よりセクシー?

美に対する憧れは、本能とも言える自然な欲求だ。
人は様々なものに美を見いだし、ときめきを感じる。
美の対象は個人差が大きいが、性に根差した普遍的な美の感性も存在する。
つまりそれぞれの性に特徴的に表れる感性だ。

女なら花が代表に上げられるだろう。多くの女性は本能的に花を好む。
抽象的に表現するなら可愛い物を好む。
女はいくつになっても可愛い物が好きだ。

では男が好む美とは何か。女性の足や胸を連想しているようでは発想が貧しい。
抽象的に表現すると、力強さを持った美だ。以下はその典型的なパターン。

幼児にして早くも力強く走る乗り物などに興味を持ち出す。
少し成長するとカブトムシやクワガタに夢中になる。
雄々しくツノを突き立てた雄のフォルムに瞳を輝かす。
地味な雌には見向きもしない。

さらに成長するとスポーツカーや大型のオートバイなどに惹かれる。
兵器というパターンもある。
昔なら勇壮な戦艦、今なら航空機や戦車のフォルムに色気?を感じる。
とここまでなら容易に想像がつく。ではその先には何があるのだろうか。

それは神が創造した美。

カブトムシの延長ともいえるが、力強く美しい生命のフォルムだ。
現在のプロ野球のチーム名も、過半数が動物系。
中でも際だっているものの一つが猛禽類、つまりワシやタカだ。
その精かんな美しさで古来より男達を魅了してきた。

美は美でも川の宝石といわれるカワセミのような、色の美では迫力不足?。
(もちろんそれに強くひかれる人もいるが。)
接する機会がなく興味のない男達でも、目の当たりにしたら瞳孔が開くだろう。

従って様々な所でシンボルとなっている。
例えばハクトウワシは米国のシンボルだ。
美意識の権化、ナチの親衛隊の制帽にもワシの帽章がさん然と輝いていた。
党旗もハーケンクロイツとワシのセット。

軍隊の部隊マークとしても、ワシタカは虎や獅子と並ぶ双へきだ。
戦車隊など地上部隊でも使われている。

同様に地上を走る自動車でも、米車のCMにはハクトウワシがよく出てくる。
(現在も一本流れている。)
無関係でも神聖な美を車に重ねたいのであろう。
沖縄の生んだ名ボクサー、具志堅用高もカンムリワシをシンボルとした。

アラブではタカ狩りのタカが、まさに男のステータスシンボル。
タカを持つ事が一人前の男の証しであり、立派なタカが誇りになる。
ペットとは明らかに違う。彼らはタカに畏敬の念を持って接する。

日本では現在、環境保護のシンボルになっている。
絶滅寸前の生物種は多いが、存在感の高さから保護活動の切り札になっている。
彼らの営巣域は聖域、特に繁殖期は近づくことも許されない。
工事の延期はざら、縮小や中止に追い込まれた開発計画も少なくない。

他方、密猟者も執ように暗躍する。美しさ故に需要が高いからだ。
アラブの男達と同じ願望を持つ日本人もいるし、剥製としても高価なのだ。
もちろん禁制品だから闇市場での話。

ハゲワシの悲哀

ところがワシタカの親戚でありながら、ハゲワシは悲しいくらい美と縁がない。
頭が禿げただけでなぜかくも美が失われるのか。(あくまでワシの話)
しかも生き方がいやらしい。
病死や事故死の死体、他人の獲物の横取りやおこぼれが糧。
「お前らには誇りというものがないのか。下品なツラしやがって。」

これは人間の一方的な見方だ。それが神から与えられた生き方、宿命なのだ。
乱獲や環境破壊で多くの動物を追いつめている人と違い、彼らは殺生をしない。

あくまで仏だけをむだなく処理する。まさに掃除屋、死体処理業者だ。
チベットでは人も死後彼らの世話になる。
鳥葬だ。当地では死者を天に導く神の使い。

しかし彼らを欲しがる人間はいない。密猟者も見向きもしない。
ワシタカへの憧れはやはり美への欲求なのだ。

おまけ
なぜハゲワシは首から上が禿げているのか。
死体の内部に首を突っ込むため、羽毛があると血や油にまみれるからだ。