身体雑学2

イスラムの女性美

日本は開国以来西欧に追随してきた。
近代以後イスラム文明は西欧に屈してきた。
結果日本人の視界には入らなかった。
しかしその実体は日本人の想像より強大だ。
中世では西欧を圧倒していた歴史がある。

だが日本人には奇妙に映ることが多いだろう。
例えば日本も最近までヘアヌードはご法度。
多くの文化人が規制する当局をけなした。
世界の常識が分からない石頭な連中だと。
この世界とは欧米を意味する。

イスラム世界では陰毛どころか頭髪もご法度。
女性の頭髪は男を誘惑するという理由で。
戒律に寛容な国や地域もあるにはあるが。

かつてイランでは大胆な近代化が進められた。
米国の後押し受けたパーレビ国王の政権下で。
実態は米国の意向が強い西欧化である。
富裕層など欧米文化を享受していた。
だが格差の拡大等で民衆の反発が高まっていく。

ついにホメイニ師主導によるイラン革命が勃発。
国王一族は海外に逃亡、米国大使館は占拠される。
西欧化から一転してイスラム原理主義国家になる。

頭髪が駄目なくらいだから肌の露出など論外。
写真はおろかイラストのヌードや水着姿も駄目。

サッカーはイランでも人気が高い。
ワールドカップ米国大会がテレビ放送された。
国際映像では観客席も映る。
夏場なので女性はタンクトップやショートパンツ。
イランでは冬場の大会の映像に差し替えられた。

ヌード写真が規制されるのはイスラムだけではない。
中国やシンガポール等儒教文化圏も厳しい。
それでも西欧文明の影響が強まりつつあるが。
ただし欧米でも誰もが寛容な訳ではない。
宗教関係者はおおむね全否定している。

女性の肌の露出が厳禁なのはイランに限らない。
おおむねイスラム世界共通だ。
湾岸戦争でも女性兵士のTシャツが問題になった。
アラブ系の兵士から無神経だと。

女性の水着姿などは絶対見ることはできない。
プールは風呂やトイレと一緒。
男女が別々になる。海水浴場も当然同じ。
仕切りが作られて、やはり別々になる。
ただ家族専用の区域があるらしい。
夫婦や親子なら誘惑にならないからか。

某紙の記者は家族をつれて潜入したという。
カスピ海沿岸の海水浴場で。
何とかイラン女性の水着姿が見たかった?。
それだけ隠されるとよけい見たくなる。

結果は残見ることができなかった。
他人の男がいると水着にはならないようだ。
では沖合いまで出て女性区域に回り込んだら。
捕まる?そこまでは不明。

それでも魅力は表れる?

髪や肌を隠すためのイスラム独特の衣装がある。
チャドル、ベール、ブルカ、アバヤ等々。
隠すためではあるが意外にエレガントに見える。

ボディコンギャルより優雅かも知れない。
かえって男の目を引くことも十分ありうる。
なぜか?美と魅力の基本は表情と姿勢。

表情は顔だけ出ていれば十分。
姿勢は上記の衣装をまとっても表れる。
基本的な美は隠せない、隠しても表れる。
かえって際立つかも知れない。

女性の魅力となる部分を隠すのは戒律。
しかし美を消すのとは違う。
美を求めない文化などありえない。
幼児のうちから女子は髪を隠すよう教育される。
しかし美意識はちゃんと発達する。
実際イスラム世界に美女は多い。

パキスタンでブット首相の就任時の首相評。
「世界で最も若く美しい指導者。」
イスラム世界では初の女性首相だった。
本来女性の政治参加が認められていない。

結局美貌が一番人々の目を引いた?。
来日した時も頭にベールをかぶっていた。
それでもエレガントだった。
ではなぜ彼女は首相になれたのか?。
同国の元大統領の娘だったからだ。

父は大統領から失脚後処刑されてしまう。
フランスに亡命した彼女は、やがて帰国。
父の仇でもある旧政権を倒して首相に就任した。

欧米諸国は女性を抑圧していると批判する。
しかし欧米の女性首相は英国のサッチャーのみ。
イスラムから女性首相誕生は皮肉な限り。