身体雑学1

キスも肉体文化

キスは本来日本の文化ではない。
欧米化の流れにのって流入した舶来文化。
明治以後であり、歴史は浅い。
日本であるとしたら性技の範疇。

キスも肉体表現であり、肉体性文化の産物。
欧米人は肉親、友人、同性、他人の妻や夫。
それら近しい相手と抱き合いキスもする。
関係性によって違いはあるが。
男女間のキスもその土壌の上に成り立つ。

日本文化にはそんな土壌がない。
男女間だけでキスを真似するようになった。
例えば女性で父親とのキスを望むだろうか。
仲のよい親子でもまずありえない。

映画で男女のキスシーンを美しく表現する。
これもまた肉体的美意識の産物。
舞踊などの肉体芸術の延長線上に成り立つ。
男女が絡む舞踊が主流と言えるほど多い。

一方日本の舞踊にはまったくない。
ただしないから劣る訳ではない。
まったく表現が異なるので比較できない。

きれいな横顔、姿勢の男女が優雅に絡み合う。
今では日本の映画やドラマにもつきもの。
美の水準はどれほどか。
基本的に欧米のラブシーンの真似。
演出も演じる方も欧米並みではない。

文化は表面的な真似だけでは本物にならない。
本質を把握しない限り真似の域を出ない。
日本には同類の欧米文化があふれている。