身体美学Fhysical Aesthetics

■ 美学的女性評 2015年

美空ひばり

2015年7月1日

戦後昭和を代表する歌手。
少女時代から天才ぶりを発揮、若くして成功する。
以降没するまで歌謡界の女王の座に君臨し続けた。

少女時代

石原裕次郎と共通点が多い。
同じ時代を代表する随一の人気スター。
時代に求められた時代の体現者だ。
時代に愛されたが故か、共に昭和の終焉と共に早世した。
共に病没であり、没年齢も同じ。

病にも共通の要素が見られる。
カリスマ的人気に応えるための苦悩があったのか。
酒に溺れがちで、健康を蝕む大きな要因になった。

共に国内では圧倒的人気だが、海外進出はなかった。
三船敏郎は世界で絶大な名声を得ていた。
石原に世界的名声はないが、国内人気は三船を上回る。

彼女が世に出た時代は、戦後昭和の草創期。
後世のアイドル歌手の時代とはまったく違う。
新時代の文化、娯楽、大衆芸術の担い手として登場。
卓越した才能でその立役者となった。
洋楽も手がければ世界的歌手もありえたという説もある。

若い頃の肖像

東洋のスター、山口淑子(李香蘭)は戦後米国に進出。
活躍の場を得て、評価もされたが大成功とまではいかず。
活動の場を日本や中国に戻している。
さらに名声も捨て、結婚して引退する。
後に芸能以外で活躍することになる。

その後も日本の女性歌手の米国進出は複数以上ある。
しかし山口を超えた例はない。
欧米で認められないと、世界的とはいかない。
東洋人には想像以上に見えない壁がある。
彼女が日本のスターであり続けたのは正解か。

ボブ・ディランは長らく日本に縁がなかった。
初来日果たしたとき、公演会場には彼女の姿があった。
ディランのファンだった訳ではない。
親交のあった歌手、岡林信康の影響で関心を持った。
岡林が崇拝するのだから素晴らしいのだろうと。

だが当時のディランはすでにロックに転向した後。
ロック調になじめなかったのか、途中で退席している。
世紀の詩人、伝説的アーティストと歌謡界の女王。
音楽界のカリスマ同士でも世界が違ったようだ。

酒に溺れるくらいだから私生活は苦難多い生涯だった。
芸一筋の人生で、女の幸せをつかむことはなかった。
若くして結婚するも2年で離婚。
儚い夢から冷めたように、再婚することはなかった。

後世のスター歌手、松田聖子や山口百恵とは対照的。
両者は女の幸せもしっかりつかんでいる。
特に松田は力強く、芸の道も女の道も両立。
生き方についてもカリスマ性を発揮している。

才能と栄光に恵まれても、私生活は恵まれず早生。
光と闇が交錯する人生、古今東西スターに多く見られる。
歌手だけでもビリー・ホリディ、エルビス・プレスリー。
マイケル・ジャクソン、ホイットニー・ヒューストン等。
彼女も結果的にその一人だと言えるだろう。

若くして成功したので、早生なれどキャリアは長い。
約40年に及び、録音された曲は数多い。
いわば身を削って残した生きた証。

女王時代の肖像

歌の世界観、ファッション、美意識など基本的に昭和。
大胆な水着グラビアなど存在しない。
身体で明らかなのは、隠しようがない身長のみ。
日本女性の平均よりかなり小柄な人だった。

3サイズなど誰も知らない。
芸とはなんの関係もないからだ。
彼女はあくまで歌で認められ、歌で成功した。
純粋に芸に生き、芸に命を捧げた。

だが時代は昭和歌謡、特に演歌系は衰退していく。
ポップス系が主流になっていく。
振り付けも発展し、本格的なダンスになる。

彼女の洗練された歌は、戦後昭和の大衆芸術の粋。
頂点に達した後、時代とともに命も燃え尽きた。
歌手としては本望だったろう。

キャサリン妃

2015年1月2日

おそらく世界一有名な妃だ。
かつて世界的フィーバーを起こした妃の夫の母と同様に。
日本でもその名や顔を知る人は少なくないだろう。
しかし高名さは彼女の存在感によるものではない。 
英王室の妃であることが最大の理由。

首相時代の肖像
首相時代の肖像
首相時代の肖像

欧州には中世からの貴族社会、文化がある。
近代化の過程で淘汰もされたが、健在な王室も多い。
中でも女王陛下の大英帝国は、近代文明の頂点に立つ。
七つの海を支配し、パックスブリタニカを成立させる。

21世紀の今は往時から大きく衰退。
先進国の一つに過ぎないが、栄華の残影は今も残る。
盟主の座を引き継いだ米国とは兄弟関係。
支配層は同じ血統であるアングロサクソン。

されど新興国家の米国に王室はない。
絢爛たる伝統、格式を持つ貴族文化が。
名門ケネディ家は貴族的セレブなれど、本物ではない。

貴族、王室といえば欧州。
中でも栄華、権威において最大級なのが英国。
よって欧米のメディアの注目度も最大級。

キャサリン妃はその王室の華やかさ、美の象徴。
夫の母同様、夫の王子より注目度が高い。
しかしあくまで妃であることが注目理由。
単なる美女なら他にいくらでもいる。

欧米のメディアが注目するから世界的に高名なのだ。
欧米が注目しなければそうならない。
欧州には他にも王室が少なくない。

中東やアジアにも王室、王族はある。
だが英王室ほど知名度の高い例はない。
日本人もそれ以外の王室を知る人は少ないはず。

日本の皇室は歴史、伝統の深さにおいて世界でも随一。
それでも知名度は英王室に遠く及ばない。
結局欧米の文化支配の反映ということだろう。

日本の皇太子妃は、元スーパーエリート。
海外生活豊富な帰国子女であり、語学堪能、教養抜群。
皇室外交にうってつけの人材。
にもかかわらず残念ながら生かされていない。

夫の母であるダイアナは、世界中で旋風を起こした。
だが結局離婚し、王室から離れた後事故死。
王室の注目度は高めたが、名誉には貢献しなかった。

キャサリン妃はおおむね順風な結婚生活。
ただ早々にトップレス姿を盗撮され、暴露された。
別な意味で注目度を高めた。
はたしてこれから名誉に貢献できるのだろうか。