身体美学 Fhysical Aesthetics

雑記帳 2003年1〜6月

■ 中身まで美のこだわりG5 【6/30】

美をポリシーとしている米アップルコンピュータは当欄の常連。
先日発表された新製品(パワーマックG5)では中身まで美を追究している。
それを誇示するかのように展示も中身が見える形でされている。

デザイナーは「今まで機能と美観は切離されていた」、とコメントしている。
事実機能的でもあり、冷却ファンやHDDは工具なしで脱着できる。
その徹底ぶりに感銘すらうける。

というのも日本は今まで家電王国だったが、そんな発想は皆無だ。
上記コメントから分かるように、米企業もアップル以外は同じだろうが。
(家電とコンピュータでは機能、目的に違いがあるから同列には扱えないが。)

中身はごちゃごちゃでメインテナンスなど想定していない、という感じ。
設計者たちもまずこれには反論できないはずだ。
彼らがG5を見たら衝撃を受けるのではないか。
もちろん今でも日本製は優秀であり、世界的なブランドではあるが。

■ ホンダ、トヨタ、F1の壁 【6/15】

F1に復帰して何年もたつのに、今だにホンダが優勝できないでいる。
無敵だったターボエンジン時代のイメージから、早い活躍が期待されたが。
二年目のトヨタも同じだが、こちらは初参戦だから仕方がない。

しかもトヨタはフェラーリと同じで、車体とエンジン両方を開発製造する。
トヨタ純正のマシンと言えるが、実質的にはヨーロッパ製に近い。
開発チーム、スタッフの大半がヨーロッパ人だからだ。
日本人の技術者を育てるより、手っ取り早く結果が出せるという戦略だ。

かつてはヤマハやスバルも挑戦したが結果出せず、成功したのはホンダだけ。
それだけヨーロッパ文化の牙城の壁は厚いということだ。
ホンダはターボエンジン時代の一昔前には、純正マシンでも優勝している。
改めてホンダの栄光を痛感する。

人気ナンバーワンの名門フェラーリは、その割に長く勝てないチームだった。
(日本のプロ野球の阪神タイガースに似ている?。)
ターボ時代はホンダに圧倒されていたが、今立場はまったく逆。
皇帝シューマッハを擁し、ホンダもトヨタもよせつけない。

ドライバーはさらに壁が厚く、これまで表彰台に立ったのは一人(三位)。
しかしホンダやトヨタは必ず勝つときが来ると思う。

■ ポールのBack in the U.S.S.R? 【6/1】

先頃ロシアでポール・マッカトニーが初公演を果たした。
公演前にプーチン大統領と会談、大統領は公演にも駆けつけたという。
ビートルズ及びポールの名声がいかに大きいかを見せつけた。

旧共産圏にもロック及びビートルズは深く浸透している。
それも冷戦終結後に始まったのではない。
かつての鉄のカーテンも越えていたのだ。

会場の外にも入場できなかった人があふれかえっていたという。
そのためスピーカーで外にも音を流す配慮をしたらしい。
遅ればせながら西側の前世紀の神話と熱狂を体験できた訳だ。

最後のアンコールで演奏したのはバック・イン・ザ U.S.S.R。歴史の皮肉?。
因みにこの曲は、ビーチボーイズのバック・イン・ザ・USAのパロディ。
パロディでも洗練された名曲であるのは、まさにポールの非凡さだ。

■ 黒人以外で初の9秒台 【5/23】

先日アボリジニと白人の混血ランナーが、陸上百mで9秒台の記録を出した。
アボリジニは色は黒いが、黒人とは別人種と考えられている。
(人種の分類が難しい民族だ。)

したがって黒人以外の人類が出した初の9秒台と言える。
筆者は日本選手にそれを期待していただけに、少し残念だ。
かつては伊東選手、今は末続選手が目前まで迫っているからだ。

黒人を超えることは不可能だが、白人には負けていない。
かつては白人にも勝てなかったのだが。
日本選手が唯一五輪の百mで決勝進出を果たしたのは、戦前のロス五輪。
「暁の超特急」と言われた吉岡隆徳選手だ。

スタートが得意の彼は、決勝で五十m付近までトップだった。
ところが後半に加速した白人選手たちに一気に抜かれ、ゴールは最下位だった。
(吉岡選手以外はすべて白人。黒人はまだ進出していなかった。)
体力の差を見せつけられた歴史的瞬間だった。

それが現代では白人と互角以上に戦っている。
今は末続選手に白人に先んじることを期待している。

■ キャサリンは舞台女優 【4/25】

ラックスCMに登場して以来何度も話題にしたキャサリン・ゼタ・ジョーンズ。
彼女が話題の映画「シカゴ」で助演女優賞に輝いた。
表情美、姿勢美の完ぺきさから筆者はモデル経験があるかと想像した。

「シカゴ」では見事なダンスシーンを披露している。
それもそのはず、彼女は舞台女優出身だったのだ。
つまりモデルではなく、ダンサーに近い人だったという訳。
身のこなし、姿勢美、表情美、美意識はダンスで培われたと考えられる。

しかし彼女でもそれほど大きな成功はしていない。
今ラックスのCMに出ているアン・ハサウェイもすべて完ぺきに近い。
彼女の笑顔はオードリーの可憐さを連想させる。
しかし彼女もまたオードリーの再来にはなりえないだろう。時代の違いだ。

■ 戦争の大義名分 【4/17】

イラク戦は結果的に、わずか三週間で大勢が決した。
双方の戦死者も少なく、結局誤爆による市民の死者が一番多かった。
(アフガン攻撃でのタリバン兵の死者よりはるかに少ない。)

それでも精密なピンポイント爆撃で、市民の被害を最小限にとどめた?。
だとすればかつての日本に対する爆撃と隔世の感を禁じえない。
原爆も東京大空襲(一夜で十万の死者)も完全に市民を標的にしていたからだ。

その大義名分はこうだ。
日本の軍需産業は家内手工業が支えているから、住宅地も軍事産業の一部である。
もちろんそんな事実はなく、屁理屈も甚だしい。
原爆も戦争を早く終わらせ、結果的に多くの市民の命を救った?、という。
まさに理屈とこう薬はどこにでもつくとしかいいようがない。

アフガン攻撃もタリバンがテロリストをかくまったことが本来の根拠。
それが途中からタリバンの圧政からの市民の解放にすり変わった。
タリバン兵の大量殺戮(推定約一万)への大義名分が必要だったからだ。
今度のイラク攻撃も同じパターン。
ようするに国際政治に正義など期待してはいけない。

■ 力士の美意識 【3/13】

相撲は構えが非常に大切であり、それが一種の姿勢美にもなっている。
特に横綱の土俵入りは、洗練された様式美である。
東洋の文化では稀な肉体芸術(肉体で姿勢美を表現する)の一種だと言える。

裸で戦うために生まれ、歴史が独自に美意識を育んだ結果であろう。
それだけによけい力士は美意識が問われなければならない。
西洋的な肉体美の概念とは違うが、力士は美しい(りりしい)必要がある。

であれば欧米人の目にも美として映るはずだ。
上記のように相撲自体は美を育む文化を持っている。
実際は美的な力士とそうでない力士に分かれるようだ。

近年ボクシングを美容目的で、女性がやるようになった。
姿勢や脚線美を磨く目的であれば、相撲の四股の方が効果は高い。
四股が立派にふめるようになれば、エステより効果があるかも知れない。
もちろん力士のような体形になることはありえない。

■ 99才の快挙 【3/8】

親子三代でモンブラン滑降を果たす。
プロスキーヤー、三浦雄一郎父子の快挙だが、マスコミ報道は地味だった。
あまり大衆の興味をひかないということか。
それだけによけい筆者としては評価したい。

雄一郎氏の青年のごとき若々しさも立派だが、99才の父はさらにあっぱれ。
スキーのためのトレーニングを日々欠かさないという。
食事もすべて自分の手作り料理をしっかり食べる。
もちろん栄養管理をしっかり考えた献立だ。

単なる長寿ではない。人間の可能性を教えてくれている。
安易に年齢をいい訳にするのはもはや通用しない?。

足腰の大切さも同様。足腰は人間を語る。
大地をしっかり踏みしめて立ち上がれば、老人も青年になる。
今後の興味は百才過ぎても、スキーが可能かどうかである。
ぜひそれを証明して欲しいものだ。

■ 独裁者の美意識 【2/18】

イラクと北朝鮮の独裁者の映像を見ない日はない。
そこには人種、民族の違いが如実に表れている。
かたや六頭身に満たない感じの体形、姿勢もとてもいいとは言えない。
独裁者の危険性とは関係ないことではあるが、非常に目立つ。

世紀の独裁者ヒトラーは、欧米では貧相な小男と捉えられている。
彼らの感覚では確かに立派な体格には見えないのであろう。
ただ敵意から実際以上に卑下したイメージにも感じられる。

真実のヒトラー像は美意識の権化だった。
ナチスの美の演出は天才的だったが、ヒトラーの精神の反映でもあろう。
颯爽とした独裁者の姿に大衆が魅了されたのは歴然たる事実だ。
東洋の独裁者とは大きく違う。 (ナチズムと美については身体雑学20世紀編6を参照)

権力者に限らず、北朝鮮には古い東洋の文化(美意識)が感じられる。
欧米文化に洗脳されていないからであろうか。
筆者としてはこういう呑気なことが書けない事態になって欲しくない。

■ 利害がすべて?国際社会 【2/8】

アフガンの悲劇はソ連撤退後、米国も手を引いたことが最大の原因。
泥沼の内戦状態に陥り、国内外に難民があふれかえった。
しかし国際社会は無視した。見捨てたと言っていい。
悲惨な泥沼状態を打ち破ったのがタリバンだった。

タリバンもまた引き続き国際社会からは無視された。
そんな中で彼らを支援したのがアルカイダだった。
アルカイダを受け入れたために、米国を敵に回した。
そしてすべての罪を被せられて、タリバンは崩壊した。

イラクもまた現政権を育てたのは米国だ。
隣国イランで革命が勃発、米国の支援するパーレビ政権が追い出された。
イスラム革命の波及を恐れた米国は、イラクを後押しして対抗した。
米国の援助でイラクは軍事大国に育った。

そして今かつて自分達が育てた怪物を、つぶそうとしている。
(一度つぶそうとしたがつぶしきれなかった。)
国際社会を動かす原動力は、利害関係以外の何者でもない。