身体美学 Fhysical Aesthetics

雑記帳 2005年3〜4月

■ 同一CMの驚きの落差 【4/28】

某宝石店(銀座)のCMは本場のスーパーモデルが定番だった。
大企業でもないのにその豪華さ、水準の高さがいやでも目についた。
儲かる商売なんだなあと思いつつ、いつも見ていた。

ところがいつ頃からなのか、最近日本製になっていることに気がついた。
もちろんモデルも日本人。問題はその水準だ。
あまりの違いに今まで同CMだと気がつかなかったのかも知れない。
スーパーモデル時代とはまさに雲泥の差、月とスッポン、天国と地獄。

いったい同一CMでのこの落差はなんのか。
これで以前のCMが同店の美意識ではなかったことがはっきりした。
金を出して外国に発注、完成品を流していただけだということだ。

景気が悪くなって国産に切り替えたのだろうか。
しかし今の水準ではかえってイメージダウンなのでは。
一般の日本人がどう感じるのかまでは筆者にも分からないが。

ユニクロも限りなくパクリっぽいCMは終わって、新作に変わっている。
新作にパクリの要素は感じられない。しかし前作の悪い印象は消えない。
企業はくれぐれも中途半端なパクリはやめた方がいい。

ばれたらすべてが逆効果になる。見る側も見抜く目を持つべきだ。
でないと日本製の水準が上がらない。

■ iPod追撃、松下、ソニー 【4/24】

家電王国の松下電器はダントツのショップ店数を誇り、圧倒的販売力を持つ。
ただ家電も今や斜陽産業に陥り、構造が変わりつつある。
特にiPodのような分野ではほとんど強みが生きない。

その松下がパナソニックブランドでiPod追撃の戦略商品を出してきた。
商品は松下だけに全国のどこでも簡単に手に入る。
だが商品が成功するかどうかはまだまったく分からない。

iPodは正反対にまったく限られたショップでしか手に入らない。
しかも品薄なことも多く、購入希望者は忍耐を強いられることが少なくない。
それでも圧倒的シェアを誇っている。ブランドの力である。

自分の土俵を奪われたソニーは松下以上に対抗心を燃やしている。
先日発売された新商品も威信をかけたものであろう。
こちらも松下ほどではないが、iPodよりははるかに手に入りやすい。
それだけに負けは許されないが、はたして。

ただiPodも米国並に成功するかどうかはまだ分からない。
ITMS(アイチューンズミュージックストア)が始まってみないと真価は表れない。
先行きが見えてくるのはやはり同サービス(年内開始予定)が始まってからだ。

■ 海外進出?堀江社長 【4/13】

堀江氏が国を超えた企業活動(宇宙開発)へ参画する。
氏が世界企業を目指していることはとっくに明白。
それが具体的行動として、早くも表れたということだ。

筆者は氏についてすでに何度も話題にしている。
しかし事業家としての活動に言及してはいない。
本来のテーマではないし、氏について詳しい訳でもないからだ。

問題にしているのはただ一点、美意識について。
目指していることが実現していけば、当然日本の顔になっていく。
世界中のメディアが氏の映像を流すことになるのだから。
そのとき世界の人々の目にどう映るか考えてほしいのだ。

現状ではブランド品を着ることがおしゃれ、といった程度の意識しか感じられない。
前にも書いたように北朝鮮の金総書記に姿形が酷似している。
ニックネームはホリエモンより堀江総書記の方が感じが出ていると思うが。

宇宙も目指すのだからますますハワード・ヒューズを彷彿させる。
だが美意識には天地の開きがあると、前にも批判した。
しかし本当は氏だけの問題ではない。
氏が目立つ活動しているから、たまたま話題にしているに過ぎない。

昨今自己啓発のセミナーが実に多い。流行っている。
それだけたくさん「意識の高い」人々が集まるらしい。
実際優秀な人が多いことも事実であろう。

だが美意識が洗練されている人が多いとはとても思えない。
高い?意識の中に美意識は含まれていない?。
堀江氏はそういう日本人の水準、意識、文化を映しているだけと言える。

■ マライヤのヒップ 【3/31】

マライヤ・キャリーが来日にする度に思うことがある。
彼女の肉体への美意識だ。彼女はあくまで歌の実力でのし上がった本物。
だが明らかに肉体美もアピールしている。

彼女の肉体美のイメージはモデル体形ではない。
豊満なマリリン・モンローのイメージだ。
それが顕著に表れているのはヒップだ。

胸だと思う人もいるだろう。確かに胸もその一部ではある。
だが単なる巨乳タレントは日本にもたくさんいる。
しかし長い足と豊満なヒップとなると稀有だ。

彼女はその量感を美と認識しているのだろう。
事実見事な曲線美である。
尻に量感があるから巨乳とバランスがとれている。

スリム幻想を信じる女たちの美意識とは明らかに違う。
幻想に洗脳された女は、尻が細くなったといって大喜びする。
扁平な尻がさらに薄くなっていったいどこが美なのか。

男で例えれば薄い胸板がさらに薄くなって、貧相な洗濯板になるのと同じ。
それを喜ぶ男がいたら女だってバカだと思うだろう。

尻バッドが商品化されているのだから分かっている人もいるのだろうが。
マライヤの尻を見たら大抵の人が尻パッドが欲しくなるのでは。

■ 「KISS」のパロディーCM 【3/25】

最近流れているキャノンのデジカメのCMはなかなかユニーク。
米国ロックの大御所、キッスを本物ならぬ子供が演じる。
同バンドの名曲を演奏するパフォーマンスを見せる。
これはコピー元がキッスならではアイデアだ。

メイク、コスチューム、ステージの演出が万事ド派手、独特だからだ。
誰がやっても人目でキッスだと分かる。
子供は白人と東洋人が混ざっているようだ。
例のメイクをしていても人種はやはり判別できる。

ただキッスを知らない人には演出の意図が分からない。
分かる人に絞ったいさぎよさ、意図の明確さ、十分評価できる。
多国籍企業の同社だが、制作元の国籍は分からない。

パロディーではなく、パクリに見えるユニクロのCMよりははるかにいい。
もっと仕掛けをパロディー化した続編も作ったらどうだろうか。
何しろ仕掛けのネタには事欠かないバンドだけに。

そういえば同じく多国籍企業のソニーにまったく印象に残るCMがない。
パナソニックは悪い意味で印象に残ったCMがあるが。
それなりに金をかけているんだろうけどね。やはり金だけの問題ではない。

■ 「アビエイター」と堀江社長 【3/18】

デュカプリオ主演で話題の映画「アビエイター」は実在の人物の伝記。
(同作品は先頃、アカデミー賞五部門受賞。)
事業家、冒険家、大富豪だったハワード・ヒューズの物語である。

当時、航空機は個人には遠い存在だった。
だが富豪の彼は自分で所有、それも自ら操縦桿を握った。
さらにただ飛ぶだけではなく、冒険的な飛行にも挑戦した。

映画は黄金時代だった。彼はハリウッドで映画製作も手がけた。
ハンサムな伊達男であった彼は、女優たちとも派手に浮き名を流した。
彼の存在感は女たちの憧れ、男たちの羨望の的であったろう。
だがやはりというべきか、絶頂期はそういつまでも続かない。

自ら当時先端の航空機で空をかけることは彼のクールさの象徴。
それ故に自ら事故を起こしてしまう。命は助かったものの重傷を負う。
そのけがが元で彼の人生は暗転する。
二度と人前にダンディーでクールな姿で立つことはできなくなった。

彼の自尊心と美意識は、みじめな姿で人前に出ることが耐えられなかったようだ。
以後、彼の姿は社会から消えた。誰もその後の彼を見た者はいない。
人と隔絶して、引きこもったまま孤独の内に生涯を閉じる。
幸運をそれまでに使い果たしたような、落差の極端に大きい人生だった。

日本で今話題の事業家といえば、なんといってもライブドアの堀江社長。
女子アナと合コンの噂など聞くと、ハワード・ヒューズを連想させる。
ただ時代も国も違うし、両者の事業家としての実力は比較できない。

だが美意識なら明白だ。両者には天地の開きがある。
堀江社長はブランドものを着ているらしいが、とてもそうは見えない。
絶頂期のヒューズは、ハリウッドスターのような華やかさだった。

ヒューズの美意識は結局彼を不幸にしたのかも知れない。
だからといって美意識が低くていいというのは屁理屈だ。
堀江社長はすでに海外のメディアにも注目されている。

目指すものが達成されていけば、さらに注目されるだろう。
成功するほど彼の姿は日本人の容姿のイメージとして記憶される。
今の堀江社長の見た目はヒューズとはかけ離れている。
北朝鮮の金総書記とは兄弟のように近いが。

■ カリスマたちの落日 【3/9】

カリスマ性の強い人は、墓穴を掘りやすい?。
流通業界のカリスマ、中内功氏は一代でダイエー帝国を築いた。
価格破壊に挑戦し続け、勝ち続けた氏だが最後に敗北した。

二代目ながら巨大な西武王国を率いてきたカリスマ、堤義明氏も結末は同じ。
最後の敗北でそれまでの成功は無意味になった。
裸一貫からの成功と、王国の二代目と出発点は違うが、進んだ道は似ている。

間接的ではあるが、両者には接点もあった。
ダイエーは絶頂期の頃、西武の本拠地、所沢の中心街に出店した。
百貨店のような大型の総合スーパーだった。
ダイエーらしい?大胆かつ挑戦的な出店は話題にもなった。
(西武流通グループの総帥は義明氏ではなく、異母兄の清二氏。)

さらに西武に対抗するようにプロ野球の球団(ホークス)経営にも乗り出す。
必然的にパリーグで西武ライオンズと覇権争いを演じることになる。
時代のカリスマ二人が、オーナーとして対峙する関係になった訳だ。

ライオンズの黄金時代が終焉した後、ホークスも日本一になった。
だがそのときすでにダイエーの時代は終わっていた。
もはや自力再建が不可能なまでの経営危機に陥っていた。
勝ち続け、疾走し続けたカリスマは最後に敗北し、寂しく舞台から去った。

一方西武のカリスマは、たたき上げのカリスマと違い、磐石に見えた。
だが水面下では着実に時代の終わりが迫っていた。
初老を過ぎた齢で、より厳しい逮捕という幕引きを迎えてしまった。
ダイエー所沢店も閉鎖の予定、兵どもが夢の後、の感慨を禁じ得ない。

■ ユニクロのパクリCM? 【3/5】

ユニクロのCMはどう見てもパクリのように見える。
出来が悪いとかそういう問題ではない。
真似であっても面白おかしいパロディーなら話は分かる。
だが大まじめにファッションブランドを演出しているように見える。

それがAppleのiPodと米国のファッションブランドGAPのCMを重ねた感じ。
音楽や映画でこれだけ真似したら盗作と言われるのでは。
まさかiPodのブランド力にあやかろうとした?。
Appleは製品のデザインをよく盗作されるのだが。

もちろんよく似ているだけで盗作と断定することは出来ない。
確認はとれていないが印象としては、日本人制作者が真似して作った感じ。
制作がどこであれ、パクリに見えることに変わりはない。
同社の見解を聞きたいところだ。

ただ真似がすべて悪い訳ではない。最初は皆先駆者の真似から入るのが普通。
だが独自の創造性が育てば真似ではなくなる。
独自性が見えないと単なるパクリにしか見えない。

今まで和製CMの美の演出の水準の低さを問題にしてきたが・・。
問題はいろいろあるが根は同じ。結論も毎回同じ。
根本解決するには文化の底上げするしかない。