身体美学美学的女性評

マーガレット・サッチャー

2014年7月10日

二十代?頃の肖像

チャーチル以来と評されたこともある。
その名声は英国内にとどまらない。
「鉄の女」の異名は世界に鳴り響いた。

英国は階級社会、政治家になるのは普通上流階級だ。
彼女は平民出身ながら実力で壁を乗り越えていった。
大学で化学を学び、卒業後研究者となる。
向学心おう盛で同時に経済学も学んでいた。
同時に政治家を志し、二十代半ばで下院議員に立候補。

初挑戦は落選したが、翌年結婚。
主婦になり時間ができると、今度は法律の勉強を始める。
二年後には弁護士の資格を取得する。
三十代以降は政治家一筋でキャリアを築く。

政治家として成長するにつれて、個性が際立っていく。
妥協しない信念の強さ、実行力。
その強さから「鉄の女」の異名が定着していく。
そのため敵も多く、危うく暗殺されかかったこともある。

引退後は異名が女男爵に変わる。
当時の講演料はH・キッシンジャーに匹敵したという。
事実であればすなわち世界一。

今日では女性宰相、大統領も珍しくなくなった。
しかし彼女ほどの存在感を示した政治家はまだいない。
悲劇として名を残した例はあるが。
インドのインディラ・ガンジー首相は在任中に暗殺された。

功績については、英国内で評価が分かれている。
評価しない人も少なくない。敵意を抱く人々もいる。
政治家の仕事は複雑で評価が難しい。鉄の女とて例外でない。

最晩年は認知症を患っていたと伝えられている。
異名にふさわしい大往生かどうかは定かでない。
だが歴史から異名が消えることはないだろう。
女性政治家の代表、モデルとして。

首相時代の肖像

米国版サッチャー?

米国でも初の女性大統領誕生の期待が高まっている。
以前批評したヒラリー・クリントン女史がその人。
次期候補として熱い支持を集めているという。

はたして米国版サッチャーになれるのか。
サッチャーも弁護士だが、政界入りははるかに早い。
落選はしたが二十代で早くも選挙に出ている。
下院議員に当選した三十代以降は政治家一筋。

夫が政治家だったヒラリー氏の政界入りははるかに遅い。
大統領になりうる年齢は七十代目前。
サッチャー氏がすでに政界を引退している年齢だ。

すでに美貌も衰えてきている。
世界情勢もますます難しくなってきている。
イメージ上げるよりは、下げる可能性がきわめて大きい。

期待されたオバマ氏の評価も、今や地に堕ちている。
支持者の中にも、筆者と同じ考えの人がいるようだ。
支持はするが今さら大統領目指すべきではないと。

和製サッチャー?

日本では消費税導入前の総選挙で与党が大敗した。
導入反対の野党第一党の社会党が大躍進した。
同党率いる土井委員長はいちやく時の人となった。

マスコミから和製サッチャーの呼び声も上がった。
それを知った元駐日英大使が某紙上で全否定した。
サッチャーに比肩する要素はないと。
駐日大使時代に土井氏をよく見ていたようだ。

事実土井氏はその後凋落の一途。
首相どころか最後は議員も落選する。
もっとも和製〜は本人が言った訳ではない。
見識の低いマスコミが生んだ妄想だ。