身体美学2024,4.27

初級編

美は機能4/27

美を支えているのは機能。
機能とは運動機能や生理機能。
つまり生命を支える機能そのもの。
機能が活性化すると美も高まる。

あらゆる美容技術はすべて補助的な役割。
主体はあくまで機能、いいかえると健康。
ただし美容整形は当てはまらない。

年齢とともに容姿が衰えるのもそれゆえ。
機能の衰えは忠実に容姿に反映する。
美容技術では絶対ごまかせない。
老化もその表れであり、同義だ。

歳をとるほど老化は個人差が大きくなる。
それも機能の衰えの差に他ならない。
歳の割に若い人は機能の衰えが小さい。

衰えに比例して容姿も劣化する。
美形であっても原型が崩れていく。
やがて不細工と差がなくなる。

美の希求は本能?

美に惹かれるのは本能?。
芸術的素養ゼロ、美とまったく無縁。
美意識のかけらもない。
だとしても美には惹かれる。

美を不快に感じる人間は存在しない。
他人の美に嫉妬する人間はいるが。
本能的に心地よいから美なのだ。
美にふれると喜びや感動を呼びおこす。
美とはその心象を表す言葉、概念。

美の探求に情熱を燃やす人は多い。
ライフワークにする人も少なくない。
美を堪能する幸福感を求めて。

人間だけの話にとどまらない。
他の生物でも美を追求する種が存在する。
動物では鳥の孔雀や極楽鳥やツルが代表例。
フォルムも色彩も生ける芸術品。

日本の国鳥であるキジも美しい。
美しさが選定された理由であろう。
近年は雪の妖精ことシマエナガも人気。

花も美しさと芳香、甘い蜜で虫を誘惑する。
人にとっても美の代名詞、象徴である。
形は全然違えど美女は花に例えられる。
立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花。
お花畑、花園は精神を浄化する楽園。

花と鳥は美の象徴として絵画の大きな題材。
ゆえに花鳥画という美の世界が確立している。
その巨匠である伊藤若冲は近年人気が沸騰。
美は時代を超越することを再認識させた。

美をいかに感じられるか。
その質量は人生の豊かさを左右する。
美の感性がその原動力となる。

美の対極

美の反対は秩序が乱れた状態。
整然とした法則性が崩れている。
美の反対だから本能的に不快に感じる。

むさ苦しい、見苦しい、醜い。
不細工、汚い、気持ち悪い等々。
美の反対語は不快な形容詞が目白押し。
それが本来の自然な反応。
なはずだがそうとは限らない。

美の乏しい環境にいると本能が鈍くなる。
美にも乱れにも感性が鈍くなる。

乱れは直視しなければ耐性ができる。
視界に入っていても目には入らない。
目に入っても脳は乱れと認識しない。
なれるとそれが普通になる。

なれるほど美の感性は麻痺していく。
負の循環にはまり、美を求めなくなる。
つまり本能を喪失した状態になる。

美はふれるほど感性が磨かれる。
美に対して敏感になる。
好循環が生まれ美意識が発達する。
美意識は容姿や生活環境に反映する。
さらには生き方にまで。

負の循環も同様に万事に反映する。
万事美から遠ざかる。

美意識は知性?

人は本能的に美に惹かれる。
なれど美を知ることは知性でもある。
知るほどに教養に昇華する。

知らないことは知性の貧しさ。
美に対する無知は文化度の低さ。
美の乏しい文化は廃れていく。

洗練された文化とは美にあふれている。
感性の違う異文化の人々も魅了する。
本物は文化も時代も超える普遍性を持つ。

日本の盆栽は世界に広まっている。
安いものなら誰でも入手できる。
が生きているので適切な管理が必要。
その植物に精通することが必須。

愛鳥家も世界中に存在する。
鳥肉が好きな人のことではない。
食べるのではなく鳥の美を愛でる人々。

バードウッチングまたはバーディング。
ウォッチャーはバーダーという。
自然の中で野鳥を双眼鏡等で観察する。
カメラで撮影する人も多い。

自然界には各種の野生生物が生息する。
だが趣味として確立しているのは鳥のみ。
理由はもちろん姿形が美しいから。
世界的なのも美の普遍性を示している。

日本では絶滅したトキが復活しつつある。
復活はトキを知る人の熱意が結実した結果。
その原動力は記憶に残るトキの姿。
夕陽を浴びて舞う姿をもう一度見たい。
感動した美の残像は消えることがない。