松田聖子2013/3
上のジャケット画像が時代の雰囲気を感じさせる。
彼女はアイドル歌手の時代を代表する一人。
可愛い衣装、可愛い振り付け、可愛い笑顔で歌う。
歌唱力などは二の次。まさに作られるアイドル。
だから生き残ったとしても歌手であるとは限らない。
それでも中には実力を備えた本物が現れる。
彼女は典型的な可愛いキャラ風だが、本物だった。
時代を築いたという点で山口百恵や中森明菜と並ぶ。
三者の中でも見た目は一番ぶりっ子風。
体型も華奢な感じだが、実態はきわめて逞しい。
山口は引退し専業主婦、中森は絶頂期以降やや地味。
一方彼女は時代を超えて活躍が続く。
パワーの持続力は米国のマドンナに近い。
それ故こうして彼女を無視できなくなった。
私生活も奔放で常に自分のペースで突き進む。
スターとして輝かしい経歴を誇るが、米国進出ではこけた。
しかし失敗しても国内の人気は変わっていない。
そもそも米国に挑む行動力、野心が彼女らしさ。
挑戦しない、できない人間は彼女を笑える立場にない。
欧米には壁があるが、体験しなければ実感できない。
歌手としての実力とは別問題だ。
簡単には超えられない。彼女は身をもって実証した。
最近になって由紀さおりが欧米で活躍の場を得た。
だが彼女から欧米に進出した訳ではない。
欧米人が彼女を発掘した結果だ。
それでも世界的地位を確立するまでには至っていない。
今を代表するアイドルはAKB48が筆頭であろう。
競合するアイドルも、多くが似た形態を持つ。
制服を着た集団が歌って踊る。歌もダンスも基本的に素人芸。
松田の時代と基本的な構造は変わっていない。
彼女の後に登場した大物、安室奈美恵もグループ出身。
今後松田や安室に匹敵する本物が現れるのだろうか。
現時点では予感すら感じられないが。