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ココ・シャネル2023年1月5日

ファッションブランドの代名詞シャネル。
世紀が変わってもブランド力は揺るがない。

近年はIT企業のアップルがブランド力誇る。
分野は違えど両社には共通点が多い。
ブランド力を支える源も一致する。
それは創業者の精神、カリスマ性だ。
創業者亡き今もDNAは受け継がれている。

幼少期は母子家庭同然の環境で育つ。
十代になるとまもなく母が病死、父も去る。
思春期を閉ざされた修道院で過ごす。

叔母が不憫に思い、時々自宅に呼び寄せた。
叔母宅は牧場があり、滞在中馬の世話をした。
接しているうちに馬に引き込まれていく。

いつしか馬に跨り駆けていた。
当時跨るのは女性の乗り方ではなかった。
乗馬の経験もなく、自己流だった。

馬と一体で駆ける爽快感に魂揺さぶられた。
それは人生最大級の体験だった。
彼女は自分に目覚めた。心の翼を得た。
社会に出ると天馬のように人生駆け抜ける。

下の画像は女盛りの頃、モデルか女優のよう。
ただしあくまでよく撮れた画像。
実像は特別美女だった訳ではない。

若い頃正面顔
若い頃の肖像

ココといえば今時人気の犬の名前。
シャネルのココも元は犬の名前だ。

社会に出ると洋装店の仕事を得る。
近くの駐屯地の騎兵たちがお得意さん。
彼らと親しくなりカフェに通うようになる
カフェでは舞台で歌手が歌っている。

騎兵たちに唆され彼女も歌うようになる。
客の喝采受けて歌うことが楽しくなる。
素人なれど毎回舞台に立つようになる。
十八番が迷子になった愛犬を探す歌。
その愛犬の名前がココ。

やがてココが彼女自身の愛称になる。
みんなが親しみ込めてココと呼んだ。
ココ・シャネルが誕生した経緯だ。

カフェの経験から歌手を目指すことに。
しかし本業への壁は厚く結局挫折する。
だが失意の彼女に別な運命の扉が開く。

親しかった騎兵の中に貴族がいた。
彼から愛人になることを求められる。
庶民階級の彼女にはいわば玉の輿。
どん底の彼女に断る理由はなかった。

愛人生活はすなわち上流階級の暮らし。
華やかな貴婦人たちが集う社交場。
庶民には叶わぬの夢の憧れの舞台。

彼女の見る目は違った。
退屈でうんざりする虚飾の世界に映る。
過剰な装飾で息が詰まりそうなドレス。
飾り満載で巨大化した帽子。
女性は男性のお飾りのように見えた。

彼女にそんな衣装は受け入れられない。
自分でデザインした衣装で自分を表現。
やがてそれを商品として世に出していく。

多くの女性たちが飛びついた。
自分が求めていたものだと感じたからだ。
伝統的な衣装を陳腐化させる革命だった。

男性の服装は基本的に活動しやすさが前提。
当時女性の服装は活動が前提でない。
むしろ活動を抑制するものだった。

彼女のデザインは活動が前提。
過剰な装飾排除、シンプルで動きやすい。
体型は隠さないが、無理に誇張もしない。
ファッションの男性化ともいえる。
されど女性らしさは失われない。

結果的に今日世界のスタンダードになった。
パンツスタイル、スーツ、短髪等々。
社会で働く女性には世界共通のファション。

女性看護師もかつての制服はスカート。
今はパンツが主流、ナースキャップも廃止。
これも活動性重視の流れだ。

ただ洋装には性的魅力の強調が根底にある。
今も欧米の歌手や女優は大胆に強調する。
商売だから一般的なファッションではない。
一方シャネルは主流であり続ける。

男性遍歴

上流社会に幻滅していた頃救世主が現れる。
自分に似た要素を持った男性。
庶民の出身だが成功した歳も近い実業家。
必然のように相思相愛の関係になる。

彼の支援で自分の店を出していく。
当時は素人だからビジネスの指導も受けた。
晩年に明言している。
生涯で本当に愛したのは彼一人だと。

にもかかわらず結ばれることはなかった。
彼は彼女と別れ、上流階級の女性と結婚。
さらにその後まもなく事故死している。

最愛の人を失った彼女はビジネスに邁進する。
ビジネスは大成功し、名声も世界的になる。
セレブとなって度々有名人と浮名を流す。
しかし結局誰とも結ばれることはなかった。
生涯妻にも母にもなることはなかった。

薄幸な生い立ちからの大成功。
運命を切り拓いのは才能と人間的魅力。
特に美人だった訳ではないがモテた。
男性との出会いで成功の階段登っていった。
生涯現役で老醜晒すことなく寿命全うした。

アップルのジョブズは道半ばで早世した。
だが彼のDNAは今も同社に脈々と生きている。
独断専行型の彼は人に厳しかった。
それでも社員から崇拝されている。
彼なくして今の同社はありえないからだ。

彼も仕事の鬼だが家庭は大切にした。
家族に見守れられて旅だった。
シャネルのように晩年は迎えられなかったが。